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東京の不動産好景気は世界一

東京の不動産好景気は世界一

今、東京の不動産市場は世界一好況。
 
日本で最も権威ある不動産の調査機関である「日本不動産研究所」が、このことを裏付けるレポートを公表しました。
 
第 5 回「国際不動産価格賃料指数」(2015 年 10 月現在)の調査結果
 
これによると、東京のオフィスビルの価格の変動率は、半年前との比較で+5.8%。
 
賃料の変動率は同+2.3%。
 
これは先進国はもちろん、東南アジアの主要都市よりも高い数字です。
 
意外ですよね〜、面白い。
 
 
では、これはいったい何を意味するのか。
 
ちょっと考えてみたいと思います。
 
 
経済と同じで、不動産市場にもマーケットサイクルというものがあります。
 
好調

停滞

後退

回復
 
というサイクルをたどるんですね。
 
これに沿って一つ確実に言えるのは、東京のオフィス市場が好調期にあるということ。
 
そしていつかは停滞し、後退するということです。
 
 
巷では東京オリンピックの2020年までは好調を維持する、なんてことが言われています。
 
ただ、ちょっと長すぎるんですよね。
 
この好調期が2014年にスタートしたと考えると、2020年まで6年。
 
サイクルとしてはちょっと長い。
 
それに、オリンピックってたった2週間のイベントにすぎないんですよ。
 
景気の波の基準にはならないんじゃないか。
 
 
そこで気になるのが2019年のオフィスビルの大量供給です。
 
2019年に竣工予定のオフィスビルの新築計画が多いということです。
 
過去、大量供給のタイミングでは稼働率が低下し、賃料が下がっています。
 
2019年にも同様の現象が起こる可能性があります。
 
ここが停滞から後退へというマーケットサイクルの潮目になる可能性が高い。
 
 
もうひとつ別の観点から。
 
経済の成長期にはそれに伴って不動産の価格と賃料も上がります。
 
少し前まで東南アジア諸国では経済の急成長と不動産価格の高騰という現象が起きていたわけです。
 
しかしそれがここにきて鈍化し、成長率において東京に引けを取っています。
 
キャピタルゲインを狙う不動産投資の場合、サイクルの底で買うか、恒常的な成長の見込める物件を買う必要があります。
 
だとすると、今はどちらのパターンも買いが難しいことを意味しています。
 
サイクルの底にあるマーケットが見当たらず、恒常的な成長が見込めるエリアも(少なくとも足元の状況を見る限り)見当たらないからです。
 
であるならやはり、インカムゲインを狙った長期目線の投資をするべきです。
 
適切なインカムリターンの水準が見込める価格で物件を取得し、長期で運用する。
 
当たり前なことですが、世界の不動産マーケット環境からもそのことが裏付けられています。
 
 
「東京の不動産好景気は世界一」というキャッチーな話題から、不動産投資はインカムゲイン目的でコツコツやりましょう、という当たり前な結論が改めて導かれたということで。

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