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ファンドが空室率を5%以下では考えない理由

ファンドが空室率を5%以下では考えない理由

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ファンドマネージャーの小原(コハラ)です。

STEP1では「収入の把握」についてお伝えしました。

今回からSTEP2に入ります。

収益物件のポータルサイトで
利回り○%って出てますよね。

あれってなんだか分かります?

これまで収入について
じっくり勉強してきたあなたなら
分かると思います。

そうですね、満室想定の収入に
対する利回りです。

式でいうと、

満室想定の年額総収入÷価格

です。

これを、満室想定利回り、
と呼ぶことにしましょう。

どんな不動産でも比較的カンタンに
同じモノサシで比べられることから
個人が買う物件ではよく使われています。

ただし、使えるのはモノサシとしてだけです。

その物件がどれだけ稼いでくれるのか

については全くあてにならない数字です。

なぜか。

理由は2つあります。

それは、空室と費用が発生するからです。

満室時の収入から、
空室分と費用を差し引いたものが
物件の純粋な収入(純収益)になります。

なので物件からの収入を見るとき、
空室と費用がどれだけ出るかを
見ておく必要があります。

今回は空室の発生について考えます。

――――――――――

STEP2
空室率の把握

――――――――――

物件を買うときに、
満室を前提として検討するのは
とても危険です。

もちろん、買ったあとには
満室経営を目指すのは当然です。

でも空室は必ず出るんですよ。

理由は2つあります。

ひとつは、需要と供給の問題です。

つまり、借りたい人より
部屋の数のほうが多ければ、
空室が発生します。

こちらはこのくらいの
バクッとした感じでオッケーです。

要するに、空室が多い地域の物件は、
同じくらい空室が出る、ということ。

ここでこう思う方がいるかもしれません。

「周りで空室があっても
 関係ない。
 自分の物件を埋めればいい。」

この考え自体が危険ですが(笑)

まあ百歩譲って全室埋めたとしましょう。

それでも空室は必ず出ます。

その理由がふたつめの理由、
退去です。

部屋を借りてる人は、
必ずいつかは退去します。

あなたも同じ賃貸住宅に
10年も15年も住んだことは
ないんじゃないでしょうか。

ワンルームなら、
進学や就職、結婚などで
2年から4年くらいで
引越すのが普通です。

退去してから次の入居者が入るまでの期間、

これをダウンタイムといいます。

ではダウンタイムをゼロにできるか。

これは不可能です。

どんなに人気の物件でも、
物理的にムリです。

なぜなら、退去したあとは、
次の入居者のためにリフォームが必要だからです。

この退去時のリフォームを
原状回復工事といいます。

原状、つまり元の状態に戻すということです。

よく「現状」と間違えている
ケースがありますのでご注意を。

さてこの原状回復工事。

退去と同時に見積もりを依頼して、

見積もりを確認

工事内容を業者と調整

発注

施工

工事完了

確認

ここまでやってようやく
次の人が入居できる状態になります。

この間、どう頑張っても2週間、
わりとガッツリした工事だと
3週間くらいかかります。

あ、この辺は管理会社の仕事ですので、
自主管理でなければ
実際にあなたがやることはありませんので
ご安心ください。

これでやっと次の人が入る、
のではありません。

ここからやっと入居付けが始まります。

工事前の部屋を見て
入居を決めるほどの
人気物件ならいいんですが、
たいていはそうはいきません。

キレイになった部屋を案内して、
ほかの物件とも見くらべる。

案内1人目で決まることもまれで、
普通の物件は何人か案内が必要でしょう。

そしてようやく、契約の申込みが入る。

そこから、

必要書類をそろえ
与信審査をして
必要なら保証会社の審査に出して
契約日を調整して

これでやっと契約ができます。

さらに言うと、

契約の次の日から賃料が入る!

とはすんなりいきません。

あなたが部屋を借りるときを
考えてみてください。

契約の次の日から新しい部屋に
引越さないですよね。

入居者は、
使わない部屋に家賃を払いたくない。

オーナーは、
すぐにでも賃料を払ってほしい。

なので、いつから賃料が発生するか、
交渉になるわけです。

と、つらつら書いてきましたが、
要は退去したら次が埋まるまでには
必ずちょっと時間が必要、
ってことです。

仮にダウンタイムを2ヶ月だとしましょうか。

2ヶ月で決まれば優秀な方だと思いますよ。

これに対して、平均入居期間、
というのを考えてみます。

つまり、平均してどれくらい住むのか、
ということです。

仮にワンルームで3年とします。

つまり36ヶ月。

これで空室率が計算できます。

式はこうです。

2ヶ月÷(36ヶ月+2ヶ月)≒ 5%

けっこうがんばっても空室率5%は
出るってことです。

実際、ファンドなんかが
賃貸マンションを買うときの評価でも
空室率を5%以下で見ることはありません。

都心の築浅マンションでもです。

ましてや地方の木造アパートを
満室前提で考えるなんて…

と思いませんか?

では収支を計算するときに
どうやって空室率を見込んだらいいのか。

次回はこの空室率の見積もりの仕方について
お伝えします。

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