ビジネスパーソンのためのプロの不動産投資術 by 外資系400億円ファンドマネージャー

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超マニアックな話ですが、

超マニアックな話ですが、

おはようございます!小原です。
 

売買価格に占める土地割合が高いと、利回りが低くなるという話。


ちょっと考えてみましょう。
何人付いてきているかわかりませんが、けっこう不動産投資の核心に迫る話です。
 
 
土地の割合が高い、つまり建物の割合が低いと何が変わるか。
それは、減価償却費です。
建物割合が低くなると、減価償却費が小さくなる。
 
 
例を挙げて説明します。
 
物件Aと物件Bがあるとします。
 
価格は2物件とも1億円、ネット利回り10%としましょう。
 
物件Aは土地建物比率5:5、物件Bは土地建物比率9:1とします。
 
建物価格は、物件Aが5,000万円、物件Bが1,000万円となります。
 
 
建物の残存耐用年数が10年あるとすると、減価償却費は、
 
物件Aが5,000万円÷10年=500万円
物件Bが1,000万円÷10年=100万円
 
となります。
 
 
 
減価償却費についてイメージつかんでいただけましたでしょうか。
 
 
話を戻します。
 
売買価格に占める土地割合が高いと、利回りが低くなる。
 
 
土地割合が高い。

建物割合が低い。

減価償却費が小さい。
 
 
ここまできました。
ではなぜ減価償却費が小さいと利回りが低くなるのか。
 
 
実は、不動産マーケットのプレイヤーである事業会社や投資家は、減価償却後の利益を見ています。
つまり、企業の損益計算書上の利益がどうなるかを見ているということです。
 
 
もう一度、さっきの例で考えてみましょう。
 
1億円の2つの物件。ネット利回り(NOI利回り)を10%とします。
 
純収益(NOI)は、
1億円×10%=1,000万円
ということです。
 
 
では償却後の利益はというと、

物件Aは1,000万円ー500万円=500万円
物件Bは1,000万円ー100万円=900万円
 
となります。
 
 
土地割合の高い物件Bのほうが償却後の利益が大きくなっていますね。
 
 
ここでちょっと視点を変えます。
 
投資判断に当たって、償却後利益に基づく利回りを基準に考えるとします。
投資基準は償却後利回り5%としましょう。
 
 
すると物件の価格は、
 
物件Aで500万円÷5%=1億円
物件Bで900万円÷5%=1.8億円
 
となります。
 
 
ずいぶんちがいますね。
 
ここで、ネット利回りを計算してみます。2物件とも純収益(NOI)は1,000万円でした。 

物件Aは1,000万円÷1億円=10%
物件Bは1,000万円÷1.8億円≒5.6%
 
となります。
 
 
ようやくたどり着きました。
土地割合の高い物件Bのほうが利回りが低くなっています。
 
 
というわけで、売買価格に占める土地割合が高いと、利回りが低くなるという話でした。
 
 
じゃあなんで償却後の利益を見るのか?
という話は今度。

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